カテゴリー:ガラスの種類・特徴
目次
空き巣や泥棒などが用いる侵入手口の中で最も多いと言われているのが、ガラスを破っての侵入です。
普通のガラスは専用の工具さえあれば簡単に切断・破壊できてしまうため、何らかの防犯対策を講じておかなければ危険な場所となります。
ここでは、ガラスに施す防犯対策の中でも代表的な「防犯ガラス」「防犯フィルム」「強化ガラス」の3種類について詳しく紹介します。
防犯ガラスとは
ガラスに限らず、ピッキングや壁を破壊して侵入を試みる犯人は、5分以上の時間をかけることはまず無いとされています。
特に単独で犯行を行う場合、5分を超えて現場に留まると発見されるリスクが跳ね上がるため、と言われています。
これを踏まえてガラスの防犯ということを考えると、突破するのに時間を要するガラスにする必要がある、ということになりますね。
防犯ガラスはおもに、破壊されるまでの時間を稼ぐことのできる加工がされたガラスのことを指しています。
加工の方法はメーカーによっても違いがありますが、多くの防犯ガラスは2枚の板ガラスの間に特殊なフィルムや金属が挟んであり、ガラスと共に加熱・圧着されています。
これにより、カッターや鈍器などでガラスを打ち破ろうとしても容易には割れず、突破に非常に時間のかかるガラスとなるのです。
挟みこむフィルムの厚みは1mm前後のものが多く、メーカーやガラスのグレードによって前後します。フィルムの厚さが増せば増すほど、破壊されにくい強い防犯ガラスとなるようです。
まれに薄い金属を挟み込む防犯ガラスもありますが、より一般的なのはフィルムタイプとなります。
防犯ガラスに挟まれた特殊フィルムには、衝撃を吸収・緩和し、ガラスが物体を貫通させるのを阻止する働きがあります。
また副次的な効果として、事故や震災などでガラスが割れた場合でも、破片が飛び散って誰かがケガをするような事態を防ぐことができます。
防犯ガラスには、他にも様々な特性をあわせ持ったものがあります。 一例として、破ろうとするととても大きな音を立てながら破損する防犯ガラスというものもあります。
近隣に住宅や建物が多いなら被害に気づいてもらいやすいため、侵入犯の撃退にも効果的かもしれませんね。
防犯フィルムとは
ガラスに貼ることで、切断されたり打ち破られたりすることを阻止するのが防犯フィルムです。
多くの侵入犯は、窓のクレセント錠近くを破壊してそこから手を入れ、鍵を開けて侵入します。そのためか、クレセント錠近くの一角のみに防犯フィルムを貼る方もおられますが、それではあまり効果は期待できません。
防犯フィルムは、窓ガラス一面に隙間なくぴったりと貼り付ける必要があるのです。
ホームセンターなどでも防犯フィルムは市販されていますが、注意深く選ぶ必要があります。 「防犯」フィルムと謳っていても、その実は「飛散防止」フィルムであることも少なからずあるためです。 実際、店頭で売られている防犯フィルムのほとんどは防犯効果の期待できない商品です。
ですからご自身で防犯フィルムを購入される場合は、次の2つの条件をすべて満たした商品を選んでください。
1.350μ(ミクロン)以上の厚みがあること
防犯フィルムは、さまざまな種類の厚みのものがあります。 その中でも、350ミクロン以上の厚さを持つ商品を選びましょう。
これより薄い防犯フィルムでは十分な効果を得られないことが多く、防犯フィルムというよりは飛散防止フィルムのレベルともなり得ます。
また300ミクロン以下の防犯フィルムには、次に取り上げる「お見舞い保険」が付いていないことが多くなります。
2.お見舞い保険付きであること
高性能の防犯フィルムには、「お見舞い保険」というものが付帯しています。 これは、防犯フィルムを施工したガラスが一定期間の間に第三者の行為によって破壊された場合に、一律の見舞金が支払われるというものです。
お見舞い保険を利用する際は、商品に付属しているハガキを送って登録することで、保険を適用させます。 多くの業者では、ハガキの消印の翌日から1年間の間を保険有効期間としています。
防犯フィルムの施工は、専門の業者に依頼されることを強くお勧めします。 理由としては、まずこれらの条件を満たしている防犯フィルムを手に入れること自体が難しいということと、施工の仕方が不適切だとガラス面にフィルムが密着せずに空気やゴミが入り込み、見た目が悪くなるだけでなく防犯効果が低くなってしまうということです。
しかし、このような条件を満たす防犯フィルムを貼ればひと安心・・・と考えることもできません。
防犯フィルムを貼りたいと思っているガラスの厚さを確認することも必要なのです。 一般的な住宅のガラスは3mm~5mmですが、防犯フィルムの本分を発揮できるのは最低でも5mm以上のガラスに貼った場合だと言われています。
ですからガラスの厚みが3mmしかない場合は、せっかくの防犯フィルムもあまり役に立たないことになるのです。 もし厚みが足りない場合は、ガラスごとの交換を検討するのも良いでしょう。
強化ガラスとは
普通のガラスを約700度まで加熱した後、ガラス表面に一気に冷気を当てて冷やし、表面に圧縮層を持たせたガラスのことです。
同じ厚さの普通のガラスと比較した場合、強度は3~5倍にもなります。 破損させようとしても、並みの方法ではなかなか割れません。万が一割れた場合も、石ころや砂利のようなコロコロとした粒状になるため安全、という特徴があります。
ただし、強度が普通のガラスの3~5倍ではあるものの、言い換えれば普通のガラスより3~5倍強い力を加えれば割れてしまうという、ことにもなります。
割れてしまっても安全という点は、裏を返せば侵入犯にメリットを与えてしまうことにもなります。
また強化ガラスは、厚みの1/6のサイズの亀裂や欠けが生じると、そこから一気に亀裂が広がり粉々に砕けてしまうという特性も持ちます。 「何もしていないのに、強化ガラスが突然割れた」という評判があるのは、このためでしょう。
ガラスの防犯という観点で考えると、強化ガラスが効果的と言えるかどうかはケースバイケースとなるでしょう。
防犯ガラス・防犯フィルム・強化ガラスの比較
ではここで、ご紹介してきた3種類のガラス対策法を比較してみましょう。 それぞれのメリット・デメリット、設置に適したケースなどを説明します。
1.防犯ガラスのメリット・デメリット
メリットとしては防犯性・耐久性に優れていることです。美観も損なわないことです。
デメリットとしてはコストが高いことです。火災や震災などの緊急時にも破れない可能性があることです。
設置に適しているケースとしては一階の窓など、確実な侵入防止をしたい場所です。
2.防犯フィルムのメリット・デメリット
メリットとしてはコストが安いことです。好きな場所に施工できます。
デメリットとしては素人が施工した場合や経年劣化した場合、美観を損なうこともあります。品質の高いものを使わないと防犯効果が得られない可能性も大きいです。10年足らずで貼り替えが必要です。
設置に適しているケースとしては万が一の時にガラス片を飛散させたくない場所です。避難経路となる場所です。
3.強化ガラスのメリット・デメリット
メリットとしては災害や事故で万が一割れても安心。防犯ガラスと比較してコストが安いです。
デメリットとしては割ろうと思えば5分以内に割れる可能性は高いです。ごく小さなダメージでも厚みの1/6以上の傷なら、致命的になる場合があります。
設置に適しているケースとしては人目の多い場所から見えやすい窓や、足場のない場所の窓などです。
まとめ
防犯ガラス・防犯フィルム・強化ガラスには、それぞれメリット・デメリットがあります。
総合的に比較すると、最も防犯性が高くおすすめできるのは「防犯ガラス」ということになるでしょう。 致し方ないこととして、防犯性の高さに比例してコストも高くなる傾向があります。
