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カテゴリー:ガラスの種類・特徴

目次

ガラスにはさまざまな種類がありますが、特にオフィスやビルなどで多く採用されているものが熱線吸収板ガラスです。

名前からなんとなく「熱線」を「吸収」するのだな…ということは予想できても、熱線とは何のことなのか、また吸収してどうなるのか、正しく理解するのは難しいことです。 熱線吸収ガラスとは、具体的にどのような特徴を持つガラスなのでしょうか。

ガラス交換の際にはぜひ頭に入れておきたい、ガラスの名前と特徴、そしておすすめの採用場所などについて解説していきます。

熱線吸収板ガラスとは

熱線吸収板ガラスイメージ

熱線吸収板ガラスとは、オフィスが多く入る、高層ビルなどで多く採用されているガラスです。

キラキラと輝く美しいガラス張りのビルは、都会には数多く存在しています。 「確かにきれいな外観だけど、あんな風にガラス張りの構造では、内部がすぐに暑くなってしまうのでは?」と、心配になった経験はありませんか。

確かに、通常のガラスは光も熱もよく透過してしまいますから、窓の面積が大きければ大きいほど、外部の熱の影響を受けやすくなってしまいます。 外観は個性的で優れていても、その内部は「快適な空間」とは言い難いでしょう。

このような場面で問題をクリアするために使用されているのが、熱腺吸収板ガラスなのです。 熱線吸収板ガラスは、ガラスに特殊な加工を施すことにより、外の熱の影響を内部に伝えにくい構造になっています。

熱線吸収板ガラスの特徴

では具体的に、熱線吸収板ガラスの特徴について学んでいきましょう。

熱腺吸収板ガラスの作り方は?

熱腺吸収板ガラスとは、通常の原料の中に金属を添加して製造されるガラスです。 添加される金属の種類は、以下の通りです。

  • ニッケル
  • コバルト

これらの金属をごく少量混ぜ合わせることで、熱腺吸収ガラスは作られます。

熱腺吸収板ガラスならではの特徴

通常のガラスとは異なる原料から作られる熱腺吸収板ガラスには、このガラスにしかない特徴を備えています。

大きな特徴は、以下の3つです。

  • グリーン、グレー、ブロンズなど、ガラスに着色してあること
  • 日射量の30%~40%を吸収すること
  • 直射日光を和らげ、眩しさを抑えること

ガラスに着色されているのは、混ぜ合わせてある原料の影響です。 この「色」が、熱線吸収の鍵となります。 窓ガラスが厚くなればなるほど、この色味は濃くなります。

オフィスやビルの「個性」としてデザインするケースも多くあります。 透明ガラスにはない存在感を示せることでしょう。

また、窓を通じて室内へと差し込む日射量の30%~40%をガラス内部に吸収してくれるため、室内への影響を少なくできます。

オフィスなどではエアコンで室温をコントロールしているケースも多いですが、窓から入る熱の影響が少なくなることで、省エネ効果も高まるとされています。 光熱費削減効果も期待できることでしょう。

さらに、窓ガラスに色がついていることで、直射日光の眩しさを和らげる効果を期待できます。 サングラスをかけたときのように、目に優しい生活ができるほか、外部からの視線を程よくカットすることにもつながります。

残念ながらデメリットも

割れガラスイメージ

外観のアクセントとして使え、また省エネ効果も高い熱線吸収板ガラスですが、導入時には、デメリットについてもきちんと頭に入れておきましょう。 事前に頭に入れておきたいデメリットは、以下の通りです。

  • ガラス自体が熱を吸収するため、ガラスの温度が高くなりやすいこと
  • 透明ガラスよりも熱割れを起こしやすいこと
  • 家具やエアコンなど、設置位置に注意が必要こと

熱線吸収板ガラスは、外部からやってくる熱線を、ガラス自体が吸収するという特性を持っています。

このため、ガラス自体の温度が上昇しやすいという特徴があります。 窓に近付くと、この熱を感じることもあるでしょう。

また熱でガラスの中央部のみがあたためられ、窓枠に近い部分との間に温度差が生じると、ガラスの内部で「外に向かって引っ張る力」が生じてしまいます。 このため、窓枠に近い部分で熱割れが生じてしまう可能性があります。

熱割れが起きる可能性はガラスが厚ければ厚いほど、高くなってしまいます。 厚さ8ミリ以上の熱線吸収板ガラスを採用する場合は特に注意が必要で、熱割れが起きないように慎重に計算し、施工することが求められるのです。

また熱割れを起こさないための注意は、日常生活の中にも及びます。 きちんとした計算のもとで施工された熱線吸収板ガラスでも、普段の使い方によっては、ガラス表面に温度差が生じてしまうケースがあります。

たとえばガラスの前、一部のみに家具を設置すれば、熱の逃げ場がなくなってしまいます。 その部分のみ温度が上昇し、熱割れ発生リスクが高まってしまいます。

また、エアコンの吹き出し口が窓の方を向いていると、一部分のみが急激に冷やされてしまいます。 こちらも熱割れリスクが高くなる行動なので、充分に注意する必要があります。

エコで使い勝手も良い熱線吸収板ガラスですが、その特徴をしっかりと頭に入れて、正しく使う必要があると心得ておきましょう。

よく似たガラス、「熱線反射ガラス」というものも

熱線吸収ガラスとよく似た、「熱線反射ガラス」というものもあります。 こちらはガラスの表面に金属酸化物を焼き付けて、特殊なコーティングを施したガラスです。

熱線吸収ガラスが熱線を吸収するのに対して、熱線反射ガラスは、その名前のとおり反射させます。 このため、遠くから見るとキラキラと輝くような風貌をしています。 ハーフミラー効果があり、外から中が見えづらい仕様になっています。

もちろん熱線吸収ガラスと同様に、室内に入り込む熱の量を軽減してくれるため、省エネ効果が期待できます。 見た目や細かな特徴をじっくり比較検討した上で、導入するガラスを決定するのがベストです。

熱線吸収板ガラスの耐用年数

ガラスそのものは、非常に長寿命の素材として知られています。 日本の住宅にガラスが採用されるようになって長いですが、「経年劣化による破損」はほとんど報告されていません。 数十年にわたって使い続けられるものと考えて良いでしょう。

熱線吸収板ガラスについても、それは例外ではありません。 トラブルさえ起きなければ、長く使い続けることが可能です。 トラブルについて一点だけ注意しなければならないのが、先ほども説明した「熱割れ」についてです。

熱線吸収板ガラスは、熱割れによるトラブルが非常に多く、これにより修理・交換になってしまいます。 素材自体の寿命を迎える前に割れてしまうケースも多いですから、設置する際には「熱割れを起こりにくくするための工夫」をする他、「熱割れを起こさないよう正しく使う」という意識も重要となります。

まとめ

ビルイメージ

オフィスやビルなどで多く使われている熱線吸収板ガラスは、機能面でも見た目でも優れた性能を持っています。 積極的に採用することで、近代的なデザインでありながら、内部を快適に保てる空間を用意できることでしょう。

熱線吸収型ガラスは、厚みがあればあるほど熱線吸収量が多くなり、エコ効果も高くなります。 しかし一方で、熱割れリスクは高くなってしまいますから、事前にしっかりと検討する必要があります。 ガラスの専門家にアドバイスを求めることで、失敗なく採用できることでしょう。

上手に使えば非常に便利なガラスだからこそ、採用場所を見極め、賢く利用してみてください。 通常のガラスから熱線吸収ガラスへと交換することで、快適な空間づくりにつながるでしょう。

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