カテゴリー:ガラスの交換・修理
目次
ガラステーブルやキャビネットなど、家庭では案外多くのガラス製家具を設置しています。
そんなガラス家具は、木材や樹脂材の家具に比べると割れやすい特徴がありますが、「清潔感やインテリア性から外すことができない」という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、お気に入りのガラス家具をうっかり割ってしまった場合の対処方法について解説します。 もし修理で直るとしたら、修理して末永く利用することを検討してみませんか?
たくさんあるガラス家具
ガラス家具の代表といえばガラステーブルを想像する方は多いでしょう。 しかし、家庭では実に多くのガラス家具を使用しています。
日ごろガラス素材を意識した家具選びをしている方は少ないですが、これは言い換えればガラス素材が私たちの生活に深く馴染んでいるとも言えます。
そこで、ガラス家具にどのようなものがあるかまとめてみました。
- 食器棚
- コレクションボード
- ショーケース
- キャビネット
- コーヒーテーブル
- サイドテーブル
- テレビボード
- 古時計
- 本棚
- ドレッサー
ガラス家具は、リビングやキッチン、寝室など家中の多くの空間で使用されます。 次の項目では、もし割ってしまった場合に適切な対処ができるようガラス家具についての知識を深めていきましょう。
ガラス家具で使われているガラス素材は?
ガラス家具にはフロートガラスを加工した強化ガラスが使われています。 フロートガラスとはどこでも見かけることができる一般的な透明のガラスで、透明ガラスとも呼ばれています。
フロートガラスは1枚だけなら透明に見えますが、数枚重ねることで緑がかった色味に見えるのが特徴です。 厚みが増すことで強度は高まりますが、DIYで使用される市販のフロートガラスなどは衝撃に対する強度は低いと言えるでしょう。
一方、強化ガラスとはフロートガラスに熱処理と冷却処理を加えたガラスをいいます。熱したガラスを急激に冷やすことで強度を高め、フロートガラスに比べると3.5倍~4倍の強度があると言われています。
見た目の特徴はフロートガラスと変わらないため積み重ねることで緑がかった色味に見えますが、割れ方はフロートガラスと大きく異なる特徴を持ちます。
フロートガラスの割れ方は、衝撃が加わった点を中心として放射状に大きなヒビが入ります。
割れたあとのフロートガラスは1つ1つの破片が鋭利な形となるのが大きな特徴です。フロートガラスの破片は手を切ってしまうほど鋭いため、扱う際は注意が必要です。
一方、強化ガラスでは衝撃が加わった点を中心としてガラス全体に細かなヒビが入り、割れたあとは粉々に砕け散ります。
強化ガラスの破片は手で触っても切れてしまう心配がないため、安全上の問題から窓ガラスやガラス家具に多く使われています。
ガラス家具は窓ガラスよりも耐久が低いのか
多くのガラス家具には強化ガラスが使われているため、一般的なフロートガラスの窓ガラスと比べれば耐久は高いと言えるでしょう。
しかし、近年では窓ガラスにも高耐久の強化ガラスが使われるため、ガラス家具と窓ガラスの耐久に大きな差はありません。
ただし、結露しにくい二重ガラス(ペアガラス)や防犯性能に優れた防犯ガラスの窓ガラスに比べると、耐久はガラス家具のほうが劣っていると言えます。
そのほか、窓ガラスと強化ガラスの耐久を比べるとき、使用方法の違いによる耐久の差も考慮しておく必要があります。 窓ガラスは開け閉めの際にはサッシに触れるため通常使用でガラス自体に傷や衝撃が加わることは少ないですが、ガラス家具についてはどうでしょうか?
ガラステーブルやサイドテーブル、ガラス板が張られた棚類などでは、ガラス表面にお皿やインテリア小物を置くことでガラスそのものに軽微な傷が入っていきます。
強化ガラスは耐久性や強度が高められているガラスではありますが、傷や衝撃が日常的に加わっていけば、「ある日突然粉々に割れる」といった可能性もないとはいいきれません。
また、誤ってオーブンで熱された鉄板などを置いてしまった場合は、熱によってガラステーブルが割れてしまうことも考えられます。
そのほか、ガラス家具に使われる強化ガラスは厚みによっても強度や耐久が異なるため、一概に窓ガラスより耐久が低い、もしくは高いと断言できません。 以下では、一般的な強化ガラスの厚さの種類をまとめました。
強化ガラスの厚さの種類
5mm、6mm、8mm、10mm、12mm、15mm、19mm
目安として、自動車の運転席、助手席側などのサイドガラスには5mmの強化ガラスが使われています。
広い面での衝撃に対する耐久は5mmでも非常に丈夫と言われていますが、先が尖ったハンマーやバールなど、点で衝撃を与えた際には簡単に割れてしまうので注意が必要です。
19mm以上の厚さにして強度を高めるには強化ガラスを2枚貼り合わせることで「合わせガラス」にするなどの方法もあり、強度や耐久が必要とされる場所では合わせガラスが使われるのが一般的でしょう。
修理費用はいくらくらいかかるのか
「ガラス家具に衝撃を与えていないのに突然割れてしまった」という場合などは、劣化や直射日光、温度変化などが原因だと考えられます。 お気に入りのガラス家具が割れてしまうと「捨てるしかない」と思ってしまいがちですが、実は専門業者へ依頼することでガラス部分の修理ができます。 ガラス家具の修理費用はガラスのサイズによって大きく変動しますが、以下では費用相場や内訳を確認しておきましょう。
ガラス家具の費用相場
- 縦90cm、横幅90cm、厚さ3mmのフロートガラスを修理する場合
修理費用の目安・・・8,000円 - 縦90cm、横幅180cm、厚さ3mmのフロートガラスを修理する場合
修理費用の目安・・・16,000円 - 縦90cm、横幅180cm、厚さ6mmのフロートガラスを修理する場合
修理費用の目安・・・16,000円 - 縦90cm、横幅90cm、厚さ3mmの強化ガラスを修理する場合
修理費用の目安・・・8,000円~2万円
ガラス家具修理にかかる費用の内訳
ガラス代+工事費+交通費=ガラス家具修理にかかる費用
特殊な工事を必要とする場合は別途工事費用が追加されますが、一般家庭で使用するようなガラス家具であれば特殊工事の必要性はほぼゼロに等しいでしょう。
また、ガラス家具の修理費用は業者によって金額が異なるため、修理依頼を出す際は複数の業者で相見積もりを取るのがおすすめです。
とくに、フロートガラスとは異なり強化ガラスの修理費用は業者によって大きくばらつきがあるため注意してください。 業者のなかには、「特殊なガラスだから・・・」と高額な修理費用を設定している場合もあります。
強化ガラスの見分け方
自宅のガラス家具にどのような種類のガラスが使われているか見分けるには、偏光板を使用するのが一般的です。
偏光板とは特定の角度からの光のみを通過させる特殊な板をいいます。偏光板でガラスの四隅を見ると虹色に見える場合やそうでない場合があり、強化ガラスは四隅が虹色に光って見えます。
偏光板は小学生の自由研究などにも使用されるためホームセンターで手軽に購入できるので、自宅にあるガラス家具の確認した場合は購入しておきましょう。
まとめ
お気に入りのガラス家具や今では購入できないガラス家具などにひび、割れが起きてしまった場合は、専門業者へ修理依頼を出してみてはいかがでしょうか?
最後に、ガラス家具が割れた場合の修理について大切なポイントをおさらいしましょう。
- ガラス家具に使われているガラス素材の多くは強化ガラス
- 強化ガラスの耐久は窓ガラス同等もしくはそれ以下
- 強化ガラスの厚みによって強度や耐久度が異なる
- 強化ガラスの修理費用は8,000円~20,000円が相場
- ガラス家具の修理依頼は複数の業者で相見積もりを取ろう