カテゴリー:鏡の手入れ・メンテナンス
目次
マジックミラーは一般的な用途としては少ないですが、プライバシー保護などリラックス効果を目的として使用されることが多く、一部の用途においては非常に利便性の高いミラーです。
ここでは「そもそもマジックミラーとは何か」「マジックミラーを使用することでどのような効果が得られるのか」「マジックミラーの原理とは」「マジックミラーとハーフミラーの違い」など分かりやすく解説します。
マジックミラーとは
マジックミラーとは明るい側からは鏡に見え、暗い側からはミラーの先が見える仕組みになっていり特殊ガラスをいいます。 また、よく耳にするマジックミラー(magic mirror)は和製英語で、英語圏などでは通じません。正確にはワンウェイミラー(one way mirror)などと呼ばれています。
マジックミラーは入射光の一部を反射させて一部を透過させる性質を持ったミラーです。 その仕組みから、明るい場所でマジックミラーを見た際は自分の姿や自分がいる場所しか確認できない場合がほとんどです。
反対に顔をマジックミラー面に近づけて手で光を遮断するようにして除くと、反射光が弱まるためマジックミラーの先が見えやすくなります。以下では、マジックミラーの特徴を簡潔にまとめました。
- 明るい部屋だと鏡になる
- 暗い部屋だと透けて見える
明るい部屋を暗くして、暗い部屋を明るくすると見え方も反対になります。 マジックミラーは片側が鏡になっていてもう片方はガラスになっていると思われがちですが、マジックミラーには裏や表はありません。
一般的にマジックミラーを見かける機会はあまりありませんが、機会があれば確認してみるのもおすすめです。
マジックミラーはどんな効果を持つのか
マジックミラーは、基本的にはプライバシー保護やリラックスさせることを目的として利用されています。
たとえば面接室や動物観察室などに使われることが多く、テーマパークにも使用されることがあります。
また、銀行や万引き防止にも大きく貢献しているのも事実です。さまざまな場所で活躍している唯一無二のミラーと言っても過言ではありません。
マジックミラーの用途とは
マジックミラーの用途を掘り下げると、非常に多くの場所で使用されていることが分かります。以下では、どのような場所で採用されているのかを具体的にまとめました。
匿名性保護
刑事ドラマなどでは有名ですが、警察が取り調べをする際に被疑者の「面通し」目的で目撃者に確認をしてもらうために使用されています。 プライバシー保護に繋がりますが、被疑者による逆恨みを受けることなく目的を達成できることが利点と言えます。
光線によるダメージを抑えるための保護
マジックミラーの仕組みはサングラスにも応用されています。ミラーグラスと呼ばれるもので、光の透過率が約8%と極端に低いため、光をただ反射させるサングラスよりもはるかに紫外線を遮断することができます。
建築物
近年ではマジックミラーやマジックミラーシールを使った建築物が多く建てられ、その中をオフィスにしている会社も数多く存在します。
日中は外側からは中の状況を確認することができませんが、反対に夜は中の状況が見えてしまいます。視覚だけの問題なら建築物としては不安ですが、赤外線を遮断できることから断熱効果に貢献しています。
また、高層ビルなどダイレクトに紫外線を受けてしまう建物なら省エネルギーに繋がるため、利用されるケースも増えてきています。
車の窓ガラス
窓ガラスにマジックミラーのシートを張り付けている車を見たことはありませんか? キャンピングカーなどに多く利用されますが、近年ではミニバンなどの普通車、軽自動車にも愛用されています。
日中は室内が見えなくなるため仮眠時や子供の着替えなどプライバシー保護として支持されているようです。 マジックミラーシートを検討している方は、助手席や運転席、フロントガラスなどは避け違反にならないように注意しましょう。
マジックミラーはこのようにさまざまなシーンで利用され、視覚効果だけでなく赤外線遮断効果や省エネルギー性にも大きく貢献しています。
マジックミラーの原理とは
マジックミラーの原理は、光の入射を反射または透過に変化させ、鏡状もしくはガラス状にしたりできるものです。以下では、マジックミラーの原理や構造をまとめました。
反射膜
板ガラスやアクリルなどの有機ガラスに極めて薄い反射膜を作り、半透明にします。反射膜の厚みにより透過光の割合を調整し、薄目に作ると透過光重視、厚めに作ると反射重視ということになります。通常のミラーは透過光を0にしたものです。
裏と表
上述の通り、マジックミラーには構造上の裏や表は存在しますが、光学的には非相反性はほぼありません。暗い部屋と明るい部屋を反転させるごとに見え方も反転していきます。
マジックミラーとハーフミラーの違いとは
マジックミラーとハーフミラーは、呼び方が異なるだけで同じものをいいます。 ガラス製のマジックミラーとアクリル製のマジックミラーが存在しますが、どちらもマジックミラー(別名ハーフミラー)と呼ばれています。
また、透過率には10%、18%、30%などの種類があり、透過率18%のハーフミラーがマジックミラーとしての効果が得られるケースもあれば、薄く見えたり、反対に濃すぎて全く見えないというケースもあります(透過率と反射率が同等のハーフミラーも存在します)。
マジックミラーの反射や透過については照明の強さや使用する部屋の環境下にも大きく左右され、反射率や透過率の違いによって名称が異なるということはありません。
マジックミラーは購入できるの?
マジックミラーは会社などに限らず個人でも購入することが可能です。 また、マジックミラー本体の形状や切断面の加工、または四隅の処理などもできるので、購入する際は用途に応じたサイズ、加工方法を選びましょう。
以下では、基本的な形状や切断面加工をまとめました。
カット方法
- スクエア
一般的な四角形のマジックミラーです。 - ラウンド
マジックミラーを円状にカットしたものです。 - バリアント
用途に応じて好みの形にカットしてもらう方法です。
四隅処理方法
- 角落とし加工
1mm~2mm程度の角を切り落とし手に刺さることを防ぎます。 - 角R加工
ガラステーブルなどで見られる四隅が丸くなっている処理をいいます。処理方法を細かく気にしない場合は、角落とし加工でも使用上問題ありません。 - 角C加工
四隅を45度にカットする方法です。
切断面処理加工
加工の中で最も重要と言えるもので、ミラーの切断面を加工する方法です。
- 切りっぱなし
手を触れると切れる可能性が高く取扱いには注意が必要です。 - 手切れ防止加工
手を切らない程度に研磨された加工方法です。凹凸が残っているので枠などに入れる場合はおすすめです。 - 糸面磨き加工
切断面処理加工では安価で一般的な加工方法です。 - 幅広面磨き加工
3mm~30mm単位で淵に緩やかな傾斜をつけ仕上げる加工方法です。通常のガラスにも適していますが、正面から見るとガラス内に淵が描かれたような見え方で、高級感があります。
マジックミラーの一般的な厚みは?
一般的なマジックミラーの厚みは5mmです。これは通常のミラーやガラスなどと同じで、特別注文で3mmのオーダーができる業者もあります。 万が一割れてしまっては非常に危険なので、購入する際は専門業者にしっかりと希望を伝え、その上で購入を検討しましょう。
まとめ
最後に、マジックミラーの原理や効果、用途について大切なポイントを以下でおさらいしましょう。
- マジックミラーは光の透過率や反射率によって見え方が変わる
- 暗い部屋ではミラーの先が見え、明るい部屋からは暗い部屋が見えない
- プライバシーの保護やリラックス効果を期待できる
- 動物観察室や面接室などさまざまな分野で活躍している
- 透過率や反射率の関係性はあるが、一般的にマジックミラーとハーフミラーは同じもの
- 個人でマジックミラーの購入ができ、通常のガラスのような加工もできる