カテゴリー:ガラスの手入れ・メンテナンス
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みなさんも、一度は窓枠にカビが生えてしまうという経験をしたことがあるのではないでしょうか。窓枠にカビが発生する原因となりやすいのは結露です。特に冬になると結露が起こりやすくなり、カビが生える危険性も高くなります。
しかし、結露だけに気を付けていればカビを防げるのかといえば、決してそうではありません。カビの種類によっては、結露に関係なく発生する可能性があります。
そこでここでは、カビの発生条件やカビの予防方法等について解説していきます。
カビが発生する5つの条件
結露にならないよう気を付けていても、窓枠に発生するカビを完全に防ぐことはできません。なぜなら、カビの発生の原因は結露だけでなく、様々な要因によって引き起こされるからです。その為、カビを予防するためには、その発生条件についてまず知る必要があります。
カビが発生する条件は、主に5つに分類されます。まず、条件1は栄養分です。カビは家のほこりや汚れなどといったハウスダストや、塗料や接着剤に加え、プラスチックなどでさえ栄養分にしてしまいます。そのため、カビの栄養分となるものを室内から完全に取り除くのは難しいといえるでしょう。
カビが発生する条件の2つ目は、酸素です。カビは成長と繁殖のために酸素を必要とします。密封したタンスやクローゼットのなかであれば、脱酸素剤などを利用することで酸素を除去できますが、窓周辺から酸素をなくすのはやはり困難です。
次に条件3は、温度です。カビはおよそ0~45℃の温度で成長・繁殖し、20~30℃くらいの温度がもっとも活性化しやすいとされています。つまり、人間が快適だと感じる室温は、カビにとって繁殖しやすい温度となります。
続いて、4つ目の発生条件は湿度です。カビは成長と繁殖のために水分を必要とし、湿度がおよそ60%を超えると、カビの発育に適した環境となります。そして、湿度が80%以上になると一部のカビの繁殖力が猛烈に高まります。ただし、室内の湿度に関してはコントロールできるので、人為的にカビが発生しにくい環境を作ることが可能です。
最後の発生条件5は、時間です。カビも生物であり、成長・繁殖ためには他の生物同様、一定の時間が必要となります。たとえ、一時的にカビが活性化しやすい環境を作ってしまったとしても、カビが充分に成長・繁殖するまえに発生条件を除去することで、カビの発生を食い止めることができます。
もし窓枠のカビを放置してしまうと?
カビは外見的な不快感を除けば不便や危険が表面化しやすいものではないため、中には対応が面倒だからと諦めてしまう方もいらっしゃるかもしれません。しかし、窓枠のカビは放置していると様々な被害を引き起こします。
例えば、最初は窓枠の一部だけだと思っていたカビがいつの間にか範囲が広がり、カーテンや周りの壁まで広がっていた、ということもあります。そうなってしまうと、カーテンの買い替えによる想定外の出費や、壁掃除の為に余計な労力を割くことになるでしょう。さらに、もしその壁が賃貸物件の壁で、掃除してもカビをきちんと落としきれなければ、退去時に修繕費用を請求されるかもしれません。
また、カビの胞子やカビを餌とするダニの糞などを吸い込んでしまうと、アレルギーが引き起こされる可能性があり、気管支炎や喘息にもつながる可能性があります。そうした健康被害が出てしまうと、とても無視することは出来ず、生活の質も低下してしまうでしょう。
つまり、大変だからといって窓枠のカビの対策を怠ると、逆に後でさらに大変なことになってしまい、後悔することになる可能性が高いということです。では、こうした後悔をしないためにはどういった方法でカビを予防すればよいのでしょうか。
カビを予防する方法は?
カビ予防で重要となるのは、湿度のコントロールです。湿度が60%以上になると、カビが繁殖可能な環境となります。ですから、窓枠にカビが生えないようにするには、室内の湿度を60%以下に抑える必要があります。また、乾燥対策のために一時的に湿度を60%以上にしたとしても、カビが充分に成長するまえに湿度を落とすことで、繁殖を防ぐことが可能です。
加えて、定期的に換気をするのも有効です。換気によって空気中のカビの胞子を室外に排出することで、カビの発生リスクを抑えることができます。それから、カビの原因となるハウスダストを除去するために掃除をしたり、湿度上昇につながる洗濯物の部屋干しをしないようにしたりするのも有効です。
ただし、冬は湿度のコントロールが上手くいかないことがあります。冬は室内と室外の温度差が大きく、どうしても窓に結露が起こりやすくなる季節です。窓に結露が起こってしまっては、どれだけ室内の湿度を下げる努力をしていても、窓付近はカビの繁殖しやすい環境が整ってしまうでしょう。
そこで効果的なのが、窓ガラスの交換です。通常のシングルガラスは断熱性が低く、室内外の温度差で結露が起こりやすいというデメリットがあります。このシングルガラスを、断熱性の高い断熱ガラス(ペアガラス、複層ガラス)に交換することで、結露を防止することが可能です。断熱ガラスは複数枚のガラスのあいだに空気やガス、真空層などを封入しているので、外気の温度が伝わりにくいという性質を持ちます。そのため、窓の表面で大きな温度差が生まれず、結露も発生しにくくなります。
まとめ
カビにはさまざまな種類があり、活性化しやすい湿度も違います。ですから、結露が起こっていなくても室内の湿度が60%以上であれば、窓枠でカビが繁殖してしまう可能性があるでしょう。
重要なのは、室内の湿度を60%以下にコントロールすることです。そして、冬の結露防止のために、窓ガラスを断熱ガラスに交換することも大切になります。断熱ガラスはメーカーごとに特徴が異なるので、専門業者に相談してみると良いでしょう。