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カテゴリー:ガラスの種類・特徴

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車の音や犬の鳴き声、救急車のサイレンなど、家の中でも騒音が聞こえてしまうことはよくあります。騒音をどれだけ遮断出来るかは、壁の厚みなど複数の要因がありますが、その中の一つに窓ガラスがあります。

ガラスの遮音性も厚みによって左右されるということは皆さん想像できると思いますが、実はそれだけではありません。ガラスがどれだけ音を遮断できるのかは、コインシデンス効果というものを知ると理解が深まります。

このページではガラスが音を遮断する仕組みについて解説していきます。

ガラスと音の関係

音とガラス

まずは、ガラスと音の関係の基本である質量則と、その例外となるコインシデンス効果とはどういったものなのかついて理解しましょう。均一な材料でできている壁を通り抜ける際の音の損失(透過損失)は、「壁の単位面積当たりの質量」と「音の周波数」の積の対数に比例します。これが質量則です。騒音はコントロールできないのでガラスについてのみ考えると、単位面積当たりの質量が大きいほど音の透過損失も大きくなります。単位面積当たりの質量が大きいということは厚みがあるということに等しいので、分厚いガラスほど音を通しにくいといえるでしょう。

しかし、防音性は単純に厚みだけで決まるわけではありません。その理由は波の性質にあります。音の本質は波です。その波が空気を振動させることで伝わっていきます。ガラスを透過するときは、空気の振動によってガラスを揺らし、揺れたガラスが反対側の空気を振動させることで通り抜けます。

そのとき、ガラスの振動の周波数と音の周波数が一致すると、共鳴によってガラスの振動が大きくなり、透過する音も大きくなってしまうのです。これをコインシデンス効果と呼び、主に高音域で発生します。この効果があるため、平均的な防音性が高いガラスでも特定の周波数の騒音に対してはあまり防音できません。

また、ガラスが振動する周波数は厚みによって変わります。ですから、騒音の周波数によっては、分厚いガラスにしたことでかえって音が大きくなってしまう可能性もあるのです。

窓ガラスの主な構造とコインシデンス効果

一般家庭で窓として使われるガラスは大きく分けると3種類です。

1つ目は単板ガラスです。強化ガラスや網入りガラスといった種類は防音性にほとんど関係ありません。先ほど説明したように、厚みによって防音特性が決まります。

2つ目はペアガラスといい、2枚や3枚のガラスを一体化させたものです。防音特性は単板ガラスとは大きく異なります。まず、ガラス部分だけ見ると、やはり厚みがあるほど基本的な防音性は高いです。しかし、コインシデンス効果に関しては単板ガラスより影響が大きくなります。ガラスがすべて同じ厚みの場合、特定の周波数ですべてのガラスに共鳴が起こってしまうからです。 次に、中空層があることによって低音域共鳴透過現象が起こります。これは、中空層の空気がバネとなって2つのガラスの振動を増幅させ、透過する音を大きくする現象です。なお、コインシデンス効果が起こるときの振動とは向きが違います。コインシデンス効果の振動はガラスと平行ですが、低音域共鳴透過現象の振動は垂直です。そのため、振動の周波数も違い、この現象は文字通り低音域で起こります。つまり、ペアガラスはコインシデンス効果と低音域共鳴透過現象によって、低音域でも高音域でも音が通りやすくなってしまうということです。

3つ目は合わせガラスです。合わせガラスも複数のガラスを一体化させたものです。ペアガラスは間が空気でしたが、合わせガラスは膜によって接着しています。ですから、基本の防音性は同じ厚さの単板ガラスに近く、低音域共鳴透過現象も起こりません。また、中間膜が振動のエネルギーを吸収することで、コインシデンス効果も軽減してくれます。ただ、中間膜は柔らかいほどエネルギーを吸収してくれるのですが、気温が下がると硬くなりほとんど吸収できなくなります。つまり、冬はコインシデンス効果の軽減率が低くなってしまうのです。

防音ガラスの種類とコインシデンス効果?

では、防音ガラスと呼ばれるものにはどのような種類があるのでしょうか。一般的に防音ガラスと呼ばれるものには、防音ペアガラスと防音合わせガラスがあります。先ほどペアガラスはコインシデンス効果の影響が大きいと説明しましたが、それはすべて同じ厚みのガラスの場合です。防音ペアガラスは厚みが異なるガラスを用いているので、それぞれのガラスの振動周波数も異なります。片方のガラスでコインシデンス効果が起きても、もう片方がその影響を軽減してくれるため、高音域でもしっかりと防音してくれます。

ただし、低音域共鳴透過現象は通常のペアガラスとほとんど変わりません。一方、防音合わせガラスは防音に特化した中間膜を用いた合わせガラスです。この中間膜は振動エネルギーの吸収量が気温によって変化しにくいことが特徴で、一年中安定した防音性を発揮します。

防音特性だけを見ると防音合わせガラスが優秀です。その理由は、通常の合わせガラスと違って気温に左右されず、中間膜によってコインシデンス効果を軽減し、ペアガラスのように低音域共鳴透過現象を生じないからです。分厚い防音ガラスなら、どんな環境でも幅広い周波数の騒音を防いでくれます。

しかし、窓ガラスに求められる機能はそれだけではありません。断熱性が高いのはペアガラスなので、断熱効果も求めるなら防音ペアガラスが良いでしょう。また、中音域、低音域の騒音ばかりなら単板ガラスでも十分ですし、コストも抑えられます。防音ガラスを選ぶときは防音性だけに着目するのではなく、他の条件も併せて考えることが重要です。

まとめ

ガラス

ガラスは必ずしも厚みがあるほど防音性が高まるのではなく、騒音の種類によっては厚みを持たせるだけではまったく防音性が上がらないということがあります。

その為、もし窓ガラスに十分に厚さがあるにも関わらず、外の音を遮断できていないという風に感じた時は、コインシデンス効果を疑ってみましょう。

ガラス交換の時などで、より適切なガラスを選ぶことの助けになるでしょう。

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