カテゴリー:ガラスの種類・特徴
目次
強化ガラスとはどんなガラスでしょうか。
強化ガラスは普通のガラスとどう違うのか、また、どんな用途に使われるのでしょうか。 ここでは、強化ガラスへ交換するメリットも併せて見ていきましょう。
強化ガラスと普通のガラスの違い
強化ガラスは、普通の板ガラスの数倍の強度を持つガラスです。 強化ガラスは割れにくいガラスですが、万が一破損しても破断面が鋭利にならないので安全であり、車両のフロントガラスなどにも使われています。
もともとガラスは割れやすいものですが、割れにくくするための強化のプロセスを、製造工程の最後に行って作ったのが強化ガラスです。 その方法は、ガラスの表面を圧縮することによって強化するというものです。 つまり、ガラスの表面に引っ張る力を持たせて、強度を増しています。 強化ガラスは普通のガラスに比べて割れにくいですが、ガラスにかかる衝撃がある一定の限度を超えると、ガラス全体が瞬間的に破砕するという特徴があります。
このように、強化ガラスは粉々に割れる性質があるために、安全性にすぐれたガラスということができます。 強化ガラスは粒状に割れるため、触れても怪我をすることがないから安全なのですが、破損時にガラス全体が粉砕する性質上、防犯面の性能はよくないとされています。
強化ガラスの製法
強化ガラスは、車のフロントガラスに使われることで知られていますが、この強化ガラスはどのようにして作られるのでしょうか。
強化ガラスの製法には、「イオン交換法」と「風冷強化法」があります。 それぞれについて説明していきましょう。
1.イオン交換法
ナトリウムイオンを含んだガラスをカリウムイオン入りの水溶液につけておくと、ガラスの表面のナトリウムイオンと水溶液のカリウムイオンが反応して、カリウムイオンがガラスの表面に貼り付きます。 このカリウムイオンが圧縮応力を生み出し、強化ガラスとなります。
2.風冷強化法
普通の板ガラスを約650度~700度に熱してから空気を吹き付けて冷却することで、強化ガラスを作り出すことができます。 ただし、イオン交換法と違って風冷強化法では、ガラスの厚さに制約があり、薄いガラスでは強化ガラスの製造が困難になるという特徴があります。
強化ガラスは安全ガラスとも呼ばれる
強化ガラスは、万が一割れたときに破断面が鋭利にならず、手で触れても怪我をすることがありません。 そのため、強化ガラスは安全ガラスとも呼ばれています。
強化ガラスは割れても安全なために、ガラステーブルや店舗の棚板などにも広く使われています。 強化ガラスで作られたガラステーブルや棚板は、見た目は普通のガラスとまったく変わらず、万が一割れた場合でも安全なので、お子さんがいる家庭や飲食店など、安全が優先される場所で幅広く利用されています。
強化ガラスの厚みは5mmから19mmまでいろいろな種類があります。 ガラスが厚いほど強度も強くなりますが、19mm以上の厚みが必要な場合は、2枚のガラスを使って合わせガラスにすることで対応しています。 合わせガラスとは、ガラスとガラスの間に特殊なフィルムをはさんだもので、割れても飛び散ることがなく安全性に優れたガラスです。
強化ガラスに交換するメリット
普通のガラスに比べて強化ガラスは強度があるために、簡単に割れては困る場所に使うことで持ち味を発揮します。
強化ガラスは車のフロントガラスのほか、学校など多くの人が集まる場所の窓ガラスやガラス製品などにもよく使われます。
まとめ
強化ガラスは普通のガラスより割れにくいガラスです。
車のフロントガラスなどに使われることが多く、万が一割れても粒状になるため安全なので、幅広い分野で使われています。